令和1年12月13日 

職員各位

処遇改善加算・特定処遇改善加算および賞与 に関する通知

掲題の件については、よく問い合わせをいただきます。雇用契約に基づいているものですが、処遇改善加算となるとどのように支給されているのか、わかりにくいのが実情です。
エイト工業では、この10月1日から新設された、特定処遇改善加算というものを算定することにしました。これを機に、この文書をもって、処遇改善や賞与について、明確にするものです。
 
用語説明
処遇改善加算
待遇が悪く人材不足と言われている介護職に対し、人材確保を目的に行政が設けた制度です。
エイト工業は、介護保険制度 訪問介護の売上げの13.7% (処遇改善加算Ⅰ)を申請しています。また、障害福祉サービスの訪問介護においては、福祉介護職員処遇改善加算という名称で、障害福祉サービス 訪問介護の居宅介護 売上げの30.3%(福祉介護職員処遇改善加算Ⅰ)を申請しています。
この加算の特徴は、事業所(エイト工業)が受け取った加算金を全て介護職員に分配しなければならない、という点にあります。但し、その分配方法は事業所に一任されています。更に、訪問介護に直接関わらない職員(事務員など)は分配対象となりません。
 
特定処遇改善加算
処遇改善加算に加え、更なる介護職の待遇向上を目指して令和1年10月から施行されたのがこの制度です。産業平均年収と言われている 年収440万円に届かせること、介護リーダーと目される人物の待遇を向上させることが主旨であると謳われています。
これも介護保険制度と障害福祉サービスで分かれており、介護保険では4.2%(特定処遇改善加算Ⅱ)、障害福祉サービスでは5.8%(福祉・介護職員等特定処遇改善加算Ⅱ)を申請しています。
前述の処遇改善加算より複雑な分配制限があります。まず、職員全体をABCの3グループに分けます。
Aグループ:介護福祉士(又は実務者研修)を持ち、介護経験がおおむね10年以上。
 Bグループ:その他の介護職員。
 C:介護職員以外の職員(事務員や本社管理部門等)
分配比率に4:2:1のルールがあります。Aグループに平均40万円を分配するとしたら、Bグループには平均20万円までしか分配できません。更にCグループには平均10万円までしか分配できません。
このルールには、資格所持者、リーダー職に類する人物を優遇したい行政の意図があります。
もう一つルールがあります。Aグループに分配することによって、年収440万円に到達する人物が必要、すでに440万円を得ている人物は分配対象外、という点です。すでに産業平均の年収を受け取っている人より、他の人を優先して、という意図です。
こちらも分配の割合やタイミングは事業所に任されています。
 
賞与
なにかと話題になる賞与ですが、雇用契約書には下記の記載があります。
 
1.会社の業績及び社員各人の業績その他の状況を勘案し、6ヶ月以上の賞与支給要件を満たした者に対し7月及び12月に賞与・寸志を支給する
2.賞与の額は、会社業績、本人実績、勤怠状況及び将来への期待度を考慮して決定する
 
賞与が「年間基本給の○○ヶ月」という記載ではありません。業績が良ければ会社に貯め込むつもりもないので賞与として分配しますが、業績が悪ければ分配する元手がありません。介護職員の配置数が変わらないのに、入院が多ければ、当然売上げも少なくなり、賞与として分配する元手も少なくなります。
 
 
では、用語の説明はこれまでにして、エイト工業での運用実態の説明に移ります。
エイト工業における各制度の運用実態
処遇改善加算
訪問介護の売上は、令和1年9月ですと、介護保険:4,882,990円 障害福祉サービス:3,074,381円 これに処遇改善加算が 介護保険:721,557円 障害福祉サービス:931,526円 支給されます。更に、利用者から処遇改善加算の1割負担(あるいは2割、3割)が33,381円を足しますので、分配に充てる総額は1,686,464円となります。(原資といいます)
※介護保険:721,557円に対して、1割負担:33,381円と少ないのは、生活保護受給者からは1割負担を徴収しないからです。
上記約168万円の原資を約23名の職員に分配するわけですが、単純計算ですと、1名あたり7.3万円になります。「そんなにもらってないぞ!」という声が聞こえてきそうですが、続きをよく読んでください。
①分配は毎月ごとではない。
  エイト工業では、半年ごとに精算(受け取った原資と、皆さんに支払った金額の差異をゼロにする)しています。2年ほど前は、半年分の原資をまとめて、7月と12月にドカンと分配していました。これでは毎月の収入が少ない、と感じてしまうため、毎月の原資を半分に分け、7月12月のために半分をプールしておき、残り半分を各員に分配する仕組みに変えています。この毎月の分配が、給与明細にある「処遇加算手当」です。
  そして7月と12月には、処遇改善加算の分配として、まとまった金額を分配、事業所に原資が残らないように調整しています。 
②分配は勤務時間に比例する。
  当たり前なので簡潔に記しますが、一ヶ月160時間働く人と、一ヶ月80時間しか働かない人では、分配の割合が違います。
③分配は均一ではない。
  分配方法は事業所の裁量に任されています。平均的なヘルパーさんが100%:5万円とすると、高く評価しているヘルパーさんには150%:7.5万円 分配することもあります。逆に50%:2.5万円 しかもらえないヘルパーさんがいるかもしれません。
評価の基準は以下の通り。①半年ごとに皆さんに記入いただく「自己評価」②施設長からの総合評価。③社長からの総合評価。この3つです。
 
問題は売上には波がある点です。
分配始めた1月の売上げが好調で、標準的なヘルパーさんに毎月5万円分配していましたが、その後入院や退去が相次ぎ、3・4・5・6月とかなり低い売上げになってしまいました。毎月5万円ずつプールするはずが、まったくプールできず、7月のまとめて分配する時期に30万円ではなく、3万円しか渡せない、ということも起こりえます。
これについては、月ごとに全部分配する方法で防ぐこともできますが、一長一短なのでエイト工業はこうしています、とだけ明記します。
 
 
特定処遇改善加算
国の制度なので仕方ありませんが、更にややこしくなったのが10月以降の特定処遇改善加算です。エイト工業ではABCのグループ分けについて、下記の通り基準を作って行政に届けています。
Aグループ:介護福祉士または実務者研修修了者で、介護業界の経験約5年以上。
Bグループ:上記以外の介護職員。
Cグループ:事務員、役員等。
具体的には下記の通りです。中野顕が履歴書を元に確認していますが、間違っていれば申し出てください。
Aグループ:個人情報のため削除
Bグループ:個人情報のため削除
Cグループ:個人情報のため削除
 
令和1年10月から特定処遇改善加算を算定し、10月は介護保険:224,167円 障害福祉サービス:178,354円 合計402,521円を受け取っています。令和2年4月の給与と一緒に「特定処遇改善加算」として給与明細に金額を明記します。
※令和1年8月 行政に届け出た特定処遇改善の計画書では、Aグループだけで分配するように記載しています。
※Aグループだから必ず分配するわけではありません。
年明けに提出する4月以降の計画には、A・Cグループで分配すると明記します。
※A・Cグループだから必ず分配するわけではありません。
エイト工業において、Bグループには、特定処遇改善加算は関係ないように思われますが、特定処遇改善加算をAグループに重点的に分配することによって、処遇改善加算はBグループ中心に分配することができます。
 
賞与
7・12月に賞与(寸志)と処遇改善加算分配を支給しています。最近、コスモスの郷の業績が良くなり、賞与としてお渡しできるようになってきました。12月時点では空室が多いですが、今後順調に運営できれば、同じように賞与を支給できると考えています。
なお、処遇改善加算と賞与は厳密に分けるため、賞与明細書にも「基本給」と「処遇改善加算手当」と明記するようにします。
 
 
なお、行政(岸和田広域 事業者指導課)には処遇改善加算と特定処遇改善加算の計画書を提出しており、同じものは事務所で閲覧することができます。
これを以て、掲題の説明とさせていただきます。ご不明な点は中野顕までお声がけください。

以上。

文責:常務取締役 中野 顕

本文書は、どなた様でも コスモスの郷 ホームページから閲覧できます。
その際は個人情報保護の観点から、個人名を削除してありますのでご留意ください。